クラミジアは不妊症の原因になる?感染したらすぐに治療を!

クラミジア原因の不妊症を乗り越えた妊婦

クラミジアと不妊には大いに関係があります。

女性不妊の原因の多くが卵管に問題があるのですが、卵管に問題がある方の約8割がクラミジア感染者とも言われています。

クラミジアに感染すると、子宮内膜炎や卵管炎などの炎症を引き起こすのですが。卵管炎の炎症は臓器や組織同士がくっついてしまう癒着を引き起こしてしまうことがあります。
癒着が起こってしまうと、卵子が移動することが難しくなるので、精子と出会う確率が低くなり不妊となってしまうのです。

また、運良く精子と出会い受精したとしても受精卵が子宮にまで戻れない「ピックアップ障害」を発症することや子宮内膜に着床するはずの受精卵が、子宮にたどり着く前に子宮外に着床してしまう、異所性妊娠となる可能性もあります。

このように1回のクラミジア感染で、一般的には20%ずつ不妊の確率が上昇していくと言われており、感染しても、自覚症状がほとんどないため、感染していることに気づくことが難しい病気でもあります。

そのため、気づかずに放置してしまい、炎症が広がって不妊になってしまうこともあるので、体の変化には敏感になり、違和感を感じたらすぐに医師に相談するようにして、早期発見・治療を心がけましょう。

クラミジアとは

クラミジアは、日本で最も性感染者の数が多い感染症です。

感染者は日本だけで100万人に上ると言われています。
ただ、女性感染者の80%が無症状なので、報告されていない方も含めると、もっと感染者数は多くなるでしょう。

クラミジアの原因

クラミジアに感染するほとんどのケースが、性行為によるものです。

なぜならクラミジアは粘膜感染する性感染症なので、性交渉以外の原因で感染する確率は極めて低いからです。
そのため、クラミジアの症状が出たら、感染者との性交渉を行った可能性が高いので、パートナーと共に検査することをオススメします。

クラミジアの症状

女性の場合

クラミジアに感染した場合1〜3週間で下記のような初期症状が現れます。

初期症状

  • おりものが増える
  • 膿性のおりものが出てくる
  • おりものの臭いが強くなる
  • 白色、薄い黄色のおりものが出てくる
  • 腹部痛
  • 不正出血

これらの初期症状が必ず出てくるとは限りませんが、以上の初期症状に少しでも当てはまった場合は、クラミジアの感染を疑った方がいいでしょう。

男性の場合

男性でも50%の方がクラミジアに感染した自覚症状がありません。
感染していると早くて1週間ほどで症状が現れ始めるので、体の変化に意識しましょう。

初期症状

  • 尿道から膿が出る
  • 排尿時の痛み
  • 尿道のかゆみ
  • 尿道の不快感
  • 発熱

以上がよく見られる症状ですが、場合によっては「頻尿」「下腹部痛」などの症状を伴うこともあります。

クラミジアを放置するとどうなるの?

女性の場合

子宮頸管炎になる

子宮頸管に炎症が起きていることを指します。
自覚症状がなく、炎症を放置していると子宮にまで原因となる細菌が感染する「上行性感染」を引き起こす可能性があるので要注意です。

子宮内膜炎になる

子宮の内側にある子宮内膜という薄い膜に炎症をが起こることを指します。

子宮内膜の深い部分である、基底層に細菌感染が発症している場合、月経が起こっても外に排出されることなく残ってしまうので、慢性子宮内膜炎となってしまいます。
慢性子宮内膜炎になってしまうと、生理不順や無月経などを引き起こし、不妊症となってしまうのです。

卵管炎になる

卵管に炎症が起こった状態を卵管炎と呼びます。

症状としては、下腹部に痛みを感じることが多いそうです。
卵管炎が進行すると、発熱や吐き気を伴うことがあり、周囲の膀胱などの器官と骨盤腹膜との癒着を引き起こす可能性があります。

卵巣炎になる

卵巣炎は、文字通り卵巣に炎症が起きる病気です。

炎症が卵巣内部にまで拡大することもあれば、表面だけの場合もあります。

また、卵巣炎の場合、自覚症状がハッキリと現れ、急性期・亜急性期・慢性期の順序で症状が進行していきます。

急性期の卵巣炎

急性期には、突如40度近い高熱を発熱したり、下腹部痛や吐き気などの症状が見られます。

亜急性期の卵巣炎

症状が安定し、回復状態にあることを亜急性期をと呼びます。しかし、まだ炎症が卵巣に残っている状態なので治療を途中でやめてしまうと、炎症が慢性化してしまうこともあります。

慢性期の卵巣炎

卵巣炎を治療せず放置してしまうと、周囲の臓器との癒着が起きてしまいます。
更に、急性期から1〜2週間で慢性化する場合もあるので、早急な対処が必要です。

骨盤腹膜炎になる

骨盤内の子宮や卵巣、卵管などの臓器や器官は腹膜と呼ばれる膜で覆われており、この腹膜が膣を経由して細菌感染による炎症を骨盤腹膜炎と呼びます。

発症後の初期症状として、寒気を感じる発熱や下腹部の痛み、おりものの変化などが挙げられます。
慢性期になってしまうと、便秘や下痢を引き起こし、更に悪化すると、癒着や膿を含んだ腫れを伴うこともあるのです。

男性の場合

尿道炎になる

症状として透明な水っぽい膿が出てきますが、それに気づかない場合が多いため、自覚症状がありません。
また、尿道のかゆみや排尿時の痛みも感じますが、これらの症状にも気づかないことが多いです。

前立腺炎になる

前立腺炎が発症すると、「排尿感」「下腹部の痛み」「残尿感」などを感じることがあります。

精巣上体炎になる

急性期の症状として、精巣上体周辺に激しい痛みが生じ、徐々に痛みが広がり、陰嚢全体が赤く腫れ上がりしこりができます。
ひどいときには、歩くだけでも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたすこともあるのです。

以上のように、クラミジアに感染すると様々な症状に悩まされ、最悪の場合には不妊症にも繋がってくるので、注意しましょう。

クラミジアの感染者割合

クラミジア感染者は非常に多いとは言われていますが、実際にはどれくらいの人数が感染しているのでしょうか。

クラミジア感染者の推移(定点報告データ)
女性の感染者数 男性の感染者数
平成14年 25,482人 18,284人
平成15年 24,220人 17,725人
平成16年 21,622人 16,533人
平成17年 19,837人 15,220人
平成18年 18,203人 13,909人
平成19年 16,763人 13,176人
平成20年 15,997人 12,401人
平成21年 14,200人 11,845人
平成22年 13,887人 12,428人
平成23年 13,946人 11,736人
平成24年 13,060人 11,470人
平成25年 13,237人 13,369人
平成26年 13,024人 11,936人
平成27年 12,780人 11,670人
平成28年 12,673人 11,723人
引用元:厚生労働省 平成29年3月データ

表によると、徐々に感染者の数は減少していますが、報告されていない方も含めると約100万人の感染者がいると言われています。
自覚症状がない病気であるため、知らないうちに症状が進行し他の人へ移してしまうので妊活じは特に注意が必要です。

他人事ではなく、少しでも疑わしい症状がある場合は、検査するといいでしょう。

クラミジアの検査方法

クラミジアの検査には、病院で診察する方法と検査キットを用いて自分自身で行う方法があります。

病院で診察する

クラミジアの診察を受けられる専門科

  • 性病科
  • 泌尿器科
  • 婦人科
  • 産婦人科
  • 耳鼻咽喉科

クラミジア感染の疑いがある場合、検査は以上の専門科で受診してください。

病院によっては、匿名で受診できるところもあるので、予め確認してからいきましょう。
また、保健所でもクラミジアの検査をすることができます。

検査キットを利用する

クラミジアの検査キットは通販で購入することができます。

病院へ行く時間が作れなかったり、受診するのが恥ずかしいという方は非常に利用しやすいものです。
しかし、検査の結果に関しては当然ながら病院よりも劣るので、注意して活用しましょう。

クラミジアの治療方法

クラミジア感染症には主に、抗生物質投与による治療が一般的です。
基本的に、ジスマロックと呼ばれる抗生物質を1000mg一回服用で約1週間で完治するケースが多いです。

クラミジアの予防方法

コンドームの使用

代表的な性感染症の予防として、性交渉時のコンドーム使用です。
クラミジアは粘膜感染するので、パートナーへ移さないためにも、無防備な性交渉は意識して避けるようにしましょう。

定期的な検査

クラミジアに感染しても、自覚症状がなく放置してしまうケースが多いです。
そのため、定期的に検査しておくべきでしょう。

まとめ

クラミジア感染症は不妊の原因となります。
クラミジア感染によって、卵管炎を発症させてしまうと臓器や器官と腹膜とが癒着してしまい、卵子が精子にたどり着くことを困難にし、受精したとしても子宮以外に着床してしまう子宮外妊娠をしてしまう可能性もあります。

クラミジア性感染症は非常に身近にある病気となっていますが、自覚症状もなく厄介なものです。
ひどい場合には、不妊症にもなってしまうので、体の変化に意識しながら、少しでも疑いがある場合は検査して治療に専念しましょう。